開発者インタビュー
司会:まず始めに、QCASTの開発をすることになった経緯を教えてください。
練木:以前から、地震を観測する計測震度計を製造していました。阪神大震災以降、計測震度計は全国の自治体に設置されました。計測震度計は、その名のとおり地震が起きてからどの程度の大きさかを測るもので、災害を減らすことには利用できませんでした。
日本は、大変地震の多い国です。日頃から出来るだけ地震による被害を抑えることに協力できないかと思っていました。その頃、地震に関する研究の一つであるリアルタイム地震学の研究が進み、地震防災の関係者の中には、震源を即座に判定し警報を出せば被害を減らせると言うアイデアが出てきました。
そんな中、当社が納入していた気象庁向けの津波地震観測システムの更新時期となり、また鉄道総合研究所との共同研究成果を防災に生かすという考えから、気象庁は多機能型地震計を配備することになりました。これを当社が受注できたことで、QCASTの開発が始まりました。
司会:いつ頃から開発を始めたのですか?
練木:2003年秋からです。
岩波:警報ユニットが12月ですね。受信装置はもっと前でした。気象庁試験配信が、2004年2月下旬から本格化しました。
司会:製品の魅力は(セールスポイント)どこですか?
練木:”揺れる前に知らせる”、という今まで出来なかったことを始めて実現し、それを役立てる為に必要な出力ができる点です。
山田:どの程度の地震(主要動)が来るかが事前にわかること、地震の規模に合わせてリレー接点が働くところですね。人々に注意を促すことや、接点出力を用いて、各種装置・設備を停止させることが可能なところです。
柴田:このシステムの特徴は「大きな揺れがくる前に、揺れの大きさ及び到着時刻を推定して知らせる」ということに尽きます。この情報をどのように減災に利用するかに利用者側が知恵を絞る必要があります。そのために必要な、音声出力、画面表示、接点出力及び情報配信機能をQCAST製品は備えています。揺れる前に対処し、被害を最低限に抑える。対処したことによる機会損失に対してのリスクをさらに抑える。情報を共有することにより迅速な復旧を図る。など、利用者の個々の事情により、様々なソリューションが考えられます。これらの要求に耐えうるべく発展していける製品と考えています。
司会:製品開発での苦労話や、やりがいを紹介してください。
全員:吉田君が頑張っていたよね。
吉田:苦労話はいくらでもあるのですが、この製品に携わってから、地震に敏感になりましたね。それとLANを使って緊急地震速報を警報ユニットに配信するためネットワークについても結構詳しくなりました。苦労が多い分、学べることもたくさんあります。
森田:地震が来る前に知らせるシステムですからどのような警報音や音声で伝えればいいのか、警報音や音声はソフト過ぎても緊迫感を煽りすぎてもいけませんし、適度な緊張感が持てるものがいいのですけどね。最適なものを見つけ出すのに今も悩んでいます。ユーザの使用環境に合わせて音声を変更したりもしていますよ。またまだ一般に周知されていないこれからのシステムですので、いろいろな伝え方が出てくるだろうし、製品展開も拡大するでしょうね。
柴田:緊急地震速報はこれまでにない新しい情報です。これを如何に有益な情報として利用するかは、システムアップにかかっています。これをいち早く経験できたことは大変幸運だと思います。
司会:まもなく、一般への緊急地震速報が始まりますが、どんな気分ですか?
柴田:先が読めないので不安です。つまり、誤った認識を持たれることによる悪影響が心配です。製品に対する、世間の期待や要望に関わりますから。
山田:同様に情報の特性上、不安はあります。しかしながら、緊急地震速報により地震発生時の素早い行動(避難等?)、ひいては災害の減少に役立てることができれば良いと思います。
吉田:緊急地震速報が浸透していくに当たり、今後QCAST製品の引き合いも増えていくと思いますので、よりいっそう使い勝手のよい装置になるよう工夫をして改良していきたいです。
司会:最後に、就職を考えている方へ明星電気の魅力やメッセージをお願いします。
山田:自然を相手にしている製品を多く、取り扱っています。難しいことも沢山あります。でも、だからこそやりがいがあると思います。
柴田・森田:ニッチな市場で、他社が真似できないことをやれることです。
練木:やりたいと思うことができることですね。1に体力、2にやる気、3,4がなくて 5に笑顔!そんな人はぜひ来て下さい。
全員:一緒にいい製品をつくりましょう。
